第67章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋③(宮侑、宮治)
「…せやな、うん
分かった。
ほな、朝練終わったら
屋上飛んでくから
待ってろよ」
『別に急がんでエエわ
暑苦しい。』
「可愛いないのぉ!
…でもお前らしくて
なんかエエな…
なぁ…姫凪…
もう我慢せんでエエよ
今日の事は見てみぬふりや
お互いな?
せやから…もうちょい
このまま…こうしといて…」
侑の最後の声が
笑顔がヤケに眩しくて
細めた目から
涙がまたユックリと落ちていく
「姫凪お利口さんや…
もっと泣いてエエねんで?
俺も…泣く…」
『…しゃあないな…
泣かしたろ…
今日だけは特別や…
侑、ありがと…』
「…おん。」