第67章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋③(宮侑、宮治)
「知ってる。
サクラが俺を
好いてくれてんのも
ただ…それでも俺は
姫凪しか見てなくて
見る気も無かったんや」
私の怒鳴る声に
冷静に応える治くんに
私の心はドンドンざわついてくる
『ならなんで!?
オカシイやんか!
なんでサクラを抱くなんか
出来るん?!
顔が同じやったら
私でもサクラでも…』
吐き出してしまう声に
『サクラ…と同じ顔…』
小さな点が集まり
薄い線に
薄い線が
「お前やと…思ってた…」
『あ…嫌…止めて。
もう…分かった…』
濃く太く残酷な真実を
浮かび上がらせてくる