第67章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋③(宮侑、宮治)
「じゃ!俺はこれで!」
そそくさと去っていく角名くんを見送り
「『やられた』」
ポツリと声が重なったのを
小さく笑う私と治くん
このまま和んで
元通りになれば良いけど
「掃除は俺がやるから
気にせんでエエで?
兎に角…行こか?」
『うん…行く…』
そんな甘くはいかないのが
現実ってヤツやんな。
部室に入ると
恐ろしく綺麗にされてて
男子の部室とは思えなかった
『掃除…どこするん?
マネージャー居ったっけ?』
窓枠にも部屋の隅にも
ホコリらしきものがナイ