第67章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋③(宮侑、宮治)
纏った部屋着では
止まらへん震え
必死にリビングまで辿り着き
ソファーで力尽きる
震える力はあんのに動かれへん
そんな俺に
「治くん!?
こんな所でなにしとるん!?」
天使の声が降り注いだ
「姫凪…ナイスタイミング…
とりあえず…寒ぅて、かなわん…」
声のした方に手を伸ばし
触れた温もりを引き寄せる
フワリと重なった身体
慣れ親しんだ香水の香り
「姫凪…温い…
エエ匂いする…」
思わずギュゥッと抱き締めた
小さくて頼りなくて柔らかい身体が
愛しくて仕方ない