第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
穏やかになったはずの
胸は再びざわめき
『サクラ?』
「姫凪…の…
香水って、どこのん…?」
舞い降りた悪魔の囁きに
溢れたセリフ
『ああ、これ?
前ミナミ行った時に衝動買いしたヤツで
名前なんやったかな?
欲しいんやったら
アトマイザーに分けたげよっか?
ワザワザ買わんでも
調子乗っていっちゃん大きいヤツ買うたし』
そんな私に天使みたいな
笑顔を向ける姫凪
「おん…ありがとう。
ずっと気になっててん。
今日、帰りにアトマイザー買うてくるから
分けたって?」