第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
うつ伏せのまま
か細い声が聞こえ
「でも、アカン…無理矢理詰め込んだから
今は水も入らへん
そこ置いといてくれ…チャント飲むから」
苦しそうなうめき声が部屋に響く
「…分かった、飲んだらチャント寝ぇや?」
「分かった…明日の分の体力は
回復させとく
…死ぬなら姫凪の腹の上や…」
「あ、あほ!さっさと寝ぇ!」
焦る私を笑う声が少しだけして途切れ
また苦しそうな息遣いに変わる
ソッと部屋を抜けてリビングに戻った
すると…
「なんでサクラが行ってんねん!
アホ!姫凪のアホボケカス!」