第65章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑、宮治)
「治(サム)なにしとん?
さっさとせな遅刻すんで?」
朝、まだ鏡の前で髪の毛を
チェックしとる
治に声を掛ける
「たまたま早起きしたからって
出来る奴風な事言うなや
鼻毛出てんぞ侑(ツム)」
「え!?ウソやん!?」
「おう、うっそよねー」
「治!しばく!」
俺の飛び蹴りを躱して
「早よぅせぇや侑。
さっさとせな遅刻すんで
そんな顔いつまで見とんねん」
「同じ顔やないか!アホ!」
フン、と鼻で笑う治を
追いかけてゴツンと頭突きをして
通学路を急ぎ足で歩く