第60章 お祭り騒ぎがくれたもの(北信介)企画転載 完結
信介の後輩の子ぉらのおかげで
助かったけど
「遅なってスマン。
お前ら、ありがとうな」
信介にも逢えたけど
やっぱり
”ありがとう”で終わりなん?
「腹は?減ってへんのか?
なんか買うてから行くか?」
いつから見てたか分からへんけど
『…あ、うん。
せやねぇ…エエね。』
なんか…寂しいやん。
「なんや?遅れたん怒っとる?
笑顔足りんやん」
怒ってへんけど
『…別に…ただ…』
モヤモヤする。
もっと私に…焦って縋って
求めて来てや…
「ただ?」
『…なんもない!
行こう!花火一緒に見たいねん!』
とか、言われへん!
一人でモヤモヤしてるとか
カッコ悪いし
「待ち。
言いたい事あるなら言えや」
嫌われたらと思ったら怖い!
『なんも…』
「なんもない顔ちゃう。
姫凪どうしてん?」
近くなる信介の顔
『…ちょ…信介…花火…』
「姫凪が
チャント言うたらスグ見にいける
言わへんかったら…
…聞き出すけどエエか?」
低くなる声
頬に滑る指が
私の顎を跳ね上げて
『え?信介!?
こんな所で…何言うて…ンン!?』
私の声を遮る
キス?キス!?
人いっぱい居るのに!?