第30章 あと一回…(及川徹)⚠️兄×妹R18⚠️ 完結
重なる視線から
心が移ったのか
『…うん
徹が居たら、すぐ治りそう』
オレの目を見て小さく頷き
ゆっくり胸に身体を預けてくる
「薬みたいだね」
『万能薬だよ
心も身体も…元気になる』
「なら、姫凪も万能薬だ
媚薬、かな?」
『媚薬になりたい』
まだ涙で濡れた目を細め
オレの唇に
甘いお薬を何度も落とす
「そんなに盛ったらホントに
狂っちゃうから」
『イヤ?』
「まさか…でも…」
『媚薬…に…なりたい…
なーんてね!
ウソだよ、ばーかばーか!
それは明日にとって置くから!
今日は一杯抱きしめて、ね?』
媚薬は空気に融けて
無邪気で少し苦い薬に変わる
必死に止まったのは
お互い様…
否、オレの負けかな?