第2章 episopdo1
「まだ皆帰ってないの?」
「ダニーが帰ってるよ!」
「今は寝てる..」
エディの言葉に付け足すようにレイが言う
ダニーさんは中学生時代の先輩で今はカウンセラーをしている
ちょっと難ありな人ではあるけどいい人だ
「そっか」
話しながらリビングに行くとソファで横になっているダニーさんの姿
結構疲れてたみたいだな
「っん....フェル。帰ったのかい?」
「はい、先ほど。起こしちゃいましたか?」
「いや、ちょうど起きようと思っていたところだよ」
そう言いながらまだ半目だ
「結構疲れてたみたいですけど大丈夫ですか?」
「ああ、うん。少し厄介な子がいてね..」
ハハ..と苦笑いするダニーさん
ダニーさんが厄介だと言う子って..
「まるでザックを相手にしているようだったよ」
「それは厄介ですね」
「でもあいつの前では言わないでくださいよ」と釘を刺すと「分かっているよ」と爽やかに笑った
幼なじみのザックは会社員なのだけれど人との馴れ合いが嫌いでダニーさんやエディと仲が悪い
いい奴ではあるんだけどすごい面倒臭い
「すごく傷口を抉ったりしてくるんだよね。会った瞬間右眼気付かれちゃったし」
疲れきったような表情で眼鏡越しに右目に触れる
ダニーさんは生まれつき右目がない
小さい頃から義眼をしていたから疎外なんかはされることが無かったそうだけれど中学生の時にたまたまバレ、イジメにあっていた
私達は二つ下の学年だったけどその話は伝わっていた
けど私はそれが本当だとは思っておらず学校裏で傷だらけになって倒れる彼を見た時は心底驚いたものだ
「あの時は驚いたね」
「それはこっちですよ」
「ダニー先生」
不意にレイの声が聞こえる
「やあレイチェル!相変わらず可愛いね!」
「ダニーさん....」
すぐ元気になるダニーさん。これだからこの人は..
「ちょっとダニー!レイチェルは僕のだよ!」
「レイをものみたいのいうのは止めよ?エディ」
二人共いつもこれだ
ほら、レイも引いてるし..