第7章 ☆Story5☆ 溢れる恋心
ゆりside
三船さんが行ってしまい、私とパパと藤ヶ谷さんの3人が残った。
「っ……」
また前みたいに助けてくれた三船さん……二度も、あの人に助けられた……。
二度あることは三度ある……もしそれが本当なら、また三船さんに会えるのかな……?
連絡先は、全く知らないし……知っているのは、名前と学校だけ……。
会う気になれば、会えなくもない……でも、図々しいって思われるかな……?
さっきみたいに、勝手に行動するな的なこと……言われちゃうかな?
会いたい……また、三船さんに会いたいよ……。
「ゆり……」
「っパパ……」
心なしか、パパは怒ってるような気がした……。
「っお前、心配したんだぞ?
急にお前がぶつかってきたと思ったら、急にあんな……拒絶されるし……」
「っぇ……?」
もしかして、あの時ぶつかったのって……
_どんっ!
『っ……おい……っゆり!?』
『っ……!
っ……いや!!!』_ばっ!
『っおい!!ゆり!!』
パパだったの……?
だから、藤ヶ谷さんの言葉が頭に……
「っ……私、ごめん…なさい……
パパだって、気づかなかったから……」
「……そうか、わかった。」
「っ……」
怒られずホッと息をなでおろすゆり。
「でも、お前には色々と聞きたいことがある……」
「っ……」
「……んな顔すんな。
7日に、聞くから……それまで心の準備でもしておけ。
今日は、これだけ渡しとく……」
「っ……?」
太輔は肩下げバッグから小さい袋にラッピングされたものをゆりに渡した。
「誕生日プレゼント。こんなのしか、用意できなかったけど……」
「っううん……!ありがとう……何かな?」
早速プレゼントを開けていくゆり。
プレゼントは……
「……あ、雑誌でも人気のリップ!
これ、ちょっと気になってたんだ。」
ゆりが前々から気になっていたものだった。
「なら、良かった……」
「ありがとう、パパ……」
「……父親として、当然だろ……」
「パパ……」