第7章 ☆Story5☆ 溢れる恋心
ゆりside
「っ……」
三船さんが同じお店にいる……ほんの小さなことなのに、
こんなにドキドキする……
やっぱり私……三船さんのこと……
「どこで食べる?
店ん中あんまり空いてる席ねーし外行くか?」
「っ……!」
隣のテーブル、空いてるのに……
「そうだな。ここは人多すぎてやだ……」
「相変わらずだな(苦笑)」
行っちゃやだ……
『ゆりちゃん、どうしたの?
ちょっと様子変だよ?』
「っ……」
「……クレープ、食べないの?
せっかくの誕生日なんだからさ……」
「っ……!
すい、ません……」
私、バカみたい……
ちょっと1回助けてもらったからって、こんな感情を持つなんて……
私の思い過ごしだよね……こんなの……ただあんな漫画みたいな展開が普通ないから、
ドキドキして意識しただけ……
いわゆる吊り橋効果だよ……!
あんなの……それに、
向こうは私のことなんて……
「あの!もしかしてドルチェのゆりちゃんですか!?」
「っ!?」
突如隣のテーブルの女性客に声をかけられる私。
「隣の席で見てて思ったんですけど、やっぱりゆりちゃんですよね!?」
「っ……」
「っおいおいマジかよ!」
「マジでゆりぴーいるの!?」
「やっぱり原宿にいたんだ!」
「っ人違いです!この子は……」
タイスケはゆりを庇うように立ち上がった。
「あれ!?もしかしてキスマイの藤ヶ谷くん!?」
「うっそ!W藤ヶ谷だったの!?」
「「っ……」」
『っゆりちゃん、藤ヶ谷くん……』
ユウはバッグの中からそっと覗くことしかできなかった。
「っおいおい!憲吾!あれ藤ヶ谷ゆりちゃんだってよ!」
「っ……」
「てかキスマイのメンバーもいるみたいだな。まさかのデート!?」
「……。」