第21章 ☆Story19☆ 通じ合う2人のココロ
「っもしもし憲吾?
なかなか電話に出られなくてごめんねさい……」
【いや、俺が勝手にかけただけだから気にしなくていい。
俺の方こそ……ごめん、今日最終日なんだろ?コンサート……】
「っまぁ……けど、憲吾から電話きて、すごく嬉しい……
それにしても、急にどうしたんですか?」
ゆりは頰を染めながら呟いた。
ちなみにゆりはまだタメ口に慣れておらず憲吾と話すときは敬語が少し多め……
【……今日、明風と練習試合があるんだ……
っそれで……ちょっと……お前の声が、聞きたいなって……思ったから……】
声がどんどん小さくなる声がゆりの耳元に入ってきた。
おそらく電話の先の憲吾は耳まで真っ赤になっていることであろう……。
「ふふ……練習試合、頑張ってください(微笑)
また諸星さんと対決するんですか?」
【一応な……。でも今度は、
覇気はなしで戦うって……前に話したから、拳だけで臨むつもりだ。】
「練習試合だからって、気を抜かないでくださいよ?
これから、大会もあるんですよね?」
【あぁ、言われなくても、そのつもりだ……
絶対試合には勝つ。大会では、優勝してみせる……】
「……(微笑)
憲吾なら、大丈夫……大会には、私も応援に行けたら行くね?」
【ありがとう、ゆり……でも、そこまで気を使わなくても……
俺は今のままでも十分だ。お前とこうして繋がっている事実があるだけでも俺は……】
「憲吾……」
【試合が終わったら、また連絡する……お前も、最終公演がんばれよ。
俺も……お前の曲聴きながら、がんばるから……】
「っ……うんっ
ありがとう、憲吾……お互い、がんばろうね(微笑)」
【あぁ……(微笑)】
こうしてお互いに電話を切り……
「……よし!
早くみんなのところに戻って気持ちを切り替えないと!」
ゆりは駆け足で楽屋に戻っていくのだった。
きっと、憲吾やみんながいてくれたら……
私はどんな困難も乗り越えられる……!
_Continue to next time...