第21章 ☆Story19☆ 通じ合う2人のココロ
涼介を見送った憲吾、
「大切にしろ、か……」
(よくわからないが、俺は彼女を大切にできるのだろうか……)
憲吾は涼介の最後の言葉を気にしながら自分のうちへ帰るのだった。
ゆりside
憲吾たちが瑛二に呼ばれていたことを知らないゆりはご飯とお風呂を終えて
自身の部屋で軽くコンサートで踊る振り付けを踊っていた。
『ゆりちゃん……まだやるの?』
「コンサートまで、あと1週間とちょっとなの……私がしっかりしないと……」
『っゆりちゃん……』
(ゆりちゃん、色々と忘れようとしてるのかな……)
ゆりが踊っていると、スマホに一件の着信が入ってきた。
「っ……誰?」
ユウはスマホを取り着信主を見た。
『……あ!三船くんからだよ!』
「っえ……」
ゆりは慌ててスマホを受け取り電話に出た。
「っもしもし……!」
【もしもし、三船だけど……】
「っ三船さん!
どうしたんですか……?」
【っいや……今日出た雑誌の記事、俺も見た……】
「っ……そう、なんですか……」
(三船さんも、知ってるんだ……)
【大丈夫か?】
「ぇ……」
【っいや……ありもないこと書かれて、大丈夫かなって……思ったから……】
「っ……(三船さん……)
っ私は大丈夫です!社長にも、ちゃんと事情を話しましたから……
ありがとうございます、わざわざ電話くれて……」
【大丈夫なら、いいんだ……】
「っありがとうございます……
(っ!そうだ、今日社長や涼介さんに言われたこと、三船さんにも話さないと……)
っあの、三船さん……!」
【どうした?】
「っ実は、今日社長に言われたんです……三船さんや、他の皆さんとはできるだけ関わらないでって……」
【……。】
「っでも……涼介さんは連絡を取り合うくらいならいいって、言ってくれたんです!
っだから、あの……前みたいに、会えないかもしれないですけど……
こうして電話をしたり、LINEを送っても、大丈夫ですか……?」
【……あぁ、俺はそれでも構わない……】
「っ……」
(三船さん……)