第20章 ☆Story18☆ スキャンダル発覚!?
「っ……」
「っ涼介さん……」
「ゆり……いいな?
少なくとも、班田の件が全部片付くまでは、一切彼と関わりを持つな。」
「っ……そんな……」
(じゃあ、あの時の返事はどうするの……?
三船さんに、なんて答えれば……)
「っ……ゆりちゃん、社長の指示に従って。」
「っ!?」
「いいかい?」
「っ……!」
涼介は今までにないくらいにゆりのことを睨むような表情で見た。
この時の顔は、母の時にも見せなかったであろう表情だった……。
「っ……はい、
わかりました……」
ゆりは細い声で返事をした。
「……話は以上だ。2人とも、下がりなさい。」
「はい。行くよ、ゆりちゃん……」
「っ……はい……」
こうして重い空気の中、社長室を後にした2人。
エレベーターに乗った2人の間にも、重い空気が流れた。
「っ……」
(涼介さん、ついさっきまであんなに反対してくれたのに……なんで急に……)
「……ゆりちゃん、」
「っ!」
ゆりは思わず肩をビクッとあげた。
「さっきはごめん、怖い思いさせて……でも、あの時はそうするしかないて思ったんだ。」
「っぇ……」
「……社長の言ったことは、正しいと思うよ。
これ以上火種を燃やしたくないってことは……」
「っ……」
「でも……三船くんはゆりちゃんが好きになった人……ゆりちゃんは、
あの百合ちゃんと藤ヶ谷さんの娘だ……2人の娘なんだから、
ちゃんと人の目を見る力はあるって思ってる……」
「っ涼介さん……」
「だから否定したくなった……社長は、
まるで三船くんのことも問題視しているように見えてね……」
「っ……」
「……でも、今は必要以上に関わって欲しくないっていうのは、俺も本音……」
「え……」
「今ここで、三船くんのことまで公に晒されたどうするの?
それこそ、終わりだよ……」
「っ……」
「君のママとパパも、いろんな壁にぶつかった……それに当時は芸能人と一般人の関係以前に、
生徒と先生っていう、禁断の恋だった……」
「っ……」