第20章 ☆Story18☆ スキャンダル発覚!?
太輔side
生徒たちは夏休みだが、俺たち教員に基本休みはあまりない。
なので今日も変わらず出勤。今はテストの準備だったり秋行事の準備に追われている。
「おはようございます。」
「「おはようございますっ」」
「よぉ先生、」
「……九条、お前はちゃんと敬語を使え。」
「そう言うお前は俺のこといい加減、九条先生って呼べよ。
俺はアンタの生徒でも教育実習生じゃねぇのっ……てか、お前今朝のニュース知ってるか?」
「ニュース?
またネットニュースか?」
「……ゆりの記事が、今日週刊誌に載ったらしい……」
「っ!?」
「しかも、熱愛発覚記事……昔のアイツと藤城柊の時と同じだな……。
それが早速ネットニュースにも上がったらしい……」
和真はスマホの画面を太輔に見せた。
「っ……まさか……」
(そんなわけ、ないはずだ……ゆりの好きな奴は、どう見ても三船くんだろうし……)
「ま、これは正真正銘……週刊誌側が嘘を大盛りにしたんだろうが……
ファンにはとてつもない打撃だろうな……」
「っ……昔のアイツみたいに、ならなければいいが……」
太輔は16年前に柊との熱愛記事を書かれた百合が精神的に悩まされていたのを
未だ嫌な思い出の1つとしている。
太輔にはそのことが頭に過った。
「人気アイドルとなれば、熱愛記事は付き物だな……どうすんだ?
アイツに電話か何か入れんのか?」
「っ……いや、それでゆりを余計混乱させたくはない。
おそらく、事務所側にも情報は入ってるだろうし……それだけでも、辛いだろうからな……
今は、連絡は俺のはうからは取らない……」
「そっか……まぁ、業界のことは業界側に任せた方がいいか……」
ゆりside
撮影前は、スタッフさんの間でも私と財前寺さんのことをコソコソと話していたけど、
撮影が始まってからはみんな自分の仕事に集中して、休憩時間も記事のことについては話さなくなった。
「はぁ……」
どうしよ……社長にも、三船さんのこと言ったほうがいいのかな……
ゆりは休憩中も頭を悩ますのだった。