第19章 ☆Story17☆ 二人きりの夏祭りデート
「悪りぃかよ……嫉妬して……」
「「っ……」」
「男の嫉妬は見苦しいぜぇ?」
「そんなの関係ねぇよ……」
(三船……なんであのまま帰ったんだよ……)
タイスケはハンドルを握りしめ、他のメンバー宅へ車を走らせた。
そして部屋に戻ってきたゆり、
「……。」
『ゆりちゃん……大丈夫?』
「うん……大丈夫だよ。
早く金魚たちを広いところに入れてあげなきゃ……」
ゆりはお風呂場に向かい、洗面器に金魚たちを離した。
「……三船さん……」
ゆりは金魚を見ながら小さく呟いた。そんなゆりを後ろから見ていたユウは……
『ゆりちゃん、なんやかんや苦しんだろうな……
明日からしばらく、お仕事に影響でなければいいけど……』
ユウはゆりを心配そうに見ていた。
そしてゆりはずっとつけていたお面を外した。
それは憲吾が最初、ゆりのために渡してくれたものだった。
「っ……」_ギュッ…
ゆりは小さく涙を流しながらお面を握りしめた。
『ゆりちゃん……』
ユウはそっとその場を後にしゆりの寝室に向かった。
「っ私も……あなたのことが好きです……!
っぅ……うぅ……ぅぅう……」
ゆりはしばらくその場から動かなかった……。