第19章 ☆Story17☆ 二人きりの夏祭りデート
こうしてゆりと憲吾は一旦別れた。
ゆりは花火を見渡せる丘へ、憲吾は屋台の方に向かった。
「ここを登ればいいのか……」
ゆりは少し狭い階段を登っていく。
そして憲吾の言うとおり人の声は聞こえず静かだった。
『ここなら人居なそうな感じだね!』
「うん、この感じだと上に行ってもほとんどいないかもね。」
階段を登り終えると、東京の街が一望できる丘にたどり着いた。
「わぁ……綺麗……しかも人もいない、私たちだけだよ?」
『すっごい!僕も走り回れそう!』
「それはダメ(苦笑)
……あ、あそこにベンチがある!あそこに座って待ってようか、」
『そうだね……にしても、三船くんとすごくいい雰囲気じゃん♪
僕が思うに……告白しちゃってもいい頃合いだと思うよ!』
「っちょ告白ってそんな……!///
気が早すぎるってば……///」
『雰囲気も大事なんだよ!?』
「っそうかも、しれないけどさ……///」
『僕的には全然脈アリだよ?
三船くん……』
「っ……でも、私は今日告白はしないよ……
せっかく楽しい気持ちなのに、告白で気まずくさせたくないもん……
それに、もし三船さんに思いを伝えるなら次のコンs‥「っゆりちゃん……?」っ!?」
ゆりの右横から自身の名前を呼ぶ声が聞こえた。
ゆりはゆっくりと横に視線を向けてみると……
「っ……!」
「っゆりちゃん!なんでここに……」
その場に立っていたのはタイスケであった。
他のメンバーは特に見当たらなかった。
「っ藤ヶ谷さんこそ……」
「……ここ、昨日言った俺のおすすめの場所。
人が少なくて、花火が綺麗に見渡せるとこ……ゆりちゃんもこの場所知っていたの?」
「っいえ……三船さんが……」
「っ……そう、なんだ……三船は?
先に帰ったの?」
「っいえ!
三船さんは私の分の焼きそばも買いに行ってくれてるんです。
私は場所取りというか、ここは人が少ないから先行って休んでるようにって言われて……」
「そうなんだ……今気づいたけど、ユウも一緒だったんだな。」
『ついで呼ばわり酷い!』
「……。」