第19章 ☆Story17☆ 二人きりの夏祭りデート
「っ……!」
(っこの感じ……覚えてる……すごく、温かくて落ち着く……)
「っ誰だお前は!?」
ゆりはゆっくりと上に目を向けその人の姿を確認した。
その人はライオンのお面を被っていた。
「っ……」
(やっぱり……それにその服……)
そしてゆりは確信した、この人物が誰なのかを……
「人違いをしているようだが、彼女は俺の妹だ。」
「っ妹!?」
「……。」
(この声……やっぱりそうだ……)
「あぁ、お前が思ってるような人物じゃない。
さっさとこの場から消えろ……」
「っ……」
親衛隊の男は一歩後ずさりをした。
「_消えろ」
_ゾクッ「っ……!わ、わかった……!」
男は悪寒が走ったのか、その場を走り出し2人を後にした。
「っ……」
「……行ったか
ここは人が多すぎる……来い、」_グイッ
「っぁ……」
男が立ち去ったのを確認すると、お面を被った人物はゆりの手を引き駆け足で走り出した。
「……。」
「三船さん……」
(私が選んだ服……着てくれたんだ……)
無言のままゆりの手を引くその人、その人物はゆりより先に着いていた憲吾だった。
その証拠に、ゆりが選んだ服だけでなくアクセサリーもまんまゆりが選んだものだったので
ゆりはすぐに確信した。
そして数分走った2人は待ち合わせにしていた神社の本殿のところにたどり着いた。
「っはぁ……はぁ……」
「っおい……大丈夫だったか?」
憲吾は被っていたお面を外した。そんな憲吾の前髪は少し乱れていた。
「っはい……三船さん、また……助けてもらっちゃいましたね(苦笑)
……あ、」
「なんd‥_そっ…「前髪、少し乱れてますよ……」っ……!」
ゆりは昨日憲吾に前髪を直してもらったように憲吾の前髪を直した。
「……はいっ、これで元に戻りましたよ!」
「っ……すまない……」
「いえいえ!
それより、なんで三船さんもあそこに……」
「俺も、たまたま同じ電車に乗ってたみたいだな。
お面は、近くにお面屋があったからそこで買ったんだ。」
「そうだったんですか……」