第5章 ☆Story3☆ ドラマの共演者は…
ゆりside
さっきの写真が来海により宏光に送られそれを太輔に見られたと知らないゆりは
早歩きで涼介のもとに向かっていた。
「っ涼介さーん!」
「お、今日も時間ピッタシ!流石だね(笑)
……あれ?そのぬいぐるみどうしたの?」
「っ!?
い、いや……なんと、なく……(汗)」
(理由を特に考えていなかった……汗)
「ははは(笑)
それ、お母さんのぬいぐるみでしょ?
よくお父さんが許したね。」
「っいえ、そのこれは……伯父が……」
「ゆ、裕太さん!?
だよね、あの人がわざわざぬいぐるみを渡すわけ、ないか……」
「……。」
「もちろん、お父さんは知らないの?」
「はい……」
「そっか……まぁ、ぬいぐるみ一つで怒る人じゃないと思うから、
そこまで気を落とさなくていいと思うよ。
それじゃあ行こっか。」
「っはい!
_ボソッ…ユウ、喋らないでよ?」
_コクッ『……。』
「……。」
(しゃ、喋らない……これなら、安心かな……)
「ゆりちゃん、何か言った?」
「いえ何も!」
こうしてゆりはドラマの撮影現場へ向かった。
「そう言えば、今日はキスマイの藤ヶ谷くんと共演だからね。」
「え!?」
「あれ、特に話してなかったけ?(苦笑)
『人間狩り』第2話にはゆりちゃんと同じ悪魔役で出るんだよ?」
「っそ、そうなんですか……」
(私としたことが……出演者を把握してなかったとは……汗)
「まぁ、お父さんに似てるからやりづらいっていうのもあるだろうけど、
そこら辺は頑張るんだよ?あくまでお仕事だからね。」
「っはい、わかってます……。」
「あと、くれぐれも熱愛噂には気をつけるんだよ?
アイドル同士の熱愛噂は意外とえげつないからね(苦笑)」
「そんな、必要最低限にあの人とは話しませんから。」
「あれ?もしかして少し嫌ってるの……?(苦笑)」
「嫌ってませんけど……パパには似てるし、なんか自分勝手だし、
大人げないというか子供っぽいし……」
「ひ、酷い言いようだね(苦笑)」
(一体この短期間でふたりの間に何があったんだろ……汗)