第18章 ☆Story16☆ 海デート?
太輔side
ゆりや憲吾たちが海に向けて出発した頃、ゆりの実家藤ヶ谷家では……
「ほら、お前はこのバッグの中に入れ。」
『えぇ……車の中とかは出てていいでしょ?
てか!今日は熱中症注意報出てたんだから、私熱中症になっちゃうぅ!』
「……お前、動かない自信あるのか?」
『もっちろん!』
「……わかった。ほら、行くぞ……」
『はーい!
てかさ!今日ゆりも海に行くんでしょ?すんごい偶然だよね笑』
「……。」
(とか言いつつ、お前がなんか仕組んだんじゃねーか?)←
ちょっと百合を疑う太輔。
そんなことを思いつつ、ゆりを抱え和真と陸が待つ場所へ向かった。
ちなみに太輔たちは和真の車で行くことになっている。
『にしても、あの和真君が車の運転ねぇ……高校時代からは想像つかないわ……』
「もうあいつらは学生じゃなくて大人だからな……車の運転くらい、当然だろ?
ほら、あんまり喋ったり動いたりすんなよ。」
『はーい……』
百合はバッグの中にいつつも中から顔を出していた。
「九条、陸……待たせたか?」
「いや、俺らもさっき来たとこ……って、」
「先生、そのぬいぐるみ何笑」
「っ……と……これは……」
(しまった、こいつらになんて言えば……)
『笑笑』
(私は助けないもんねー!なんせ私はただのぬいぐるみなんだから!)
心の中で笑う百合。
「……あ、それってもしかして廉さんが百合にあげてたやつ?」
「ぁ、あぁ……そのぉ……裕太くんから渡されて、
日光浴とか、させたほうがいいのかな……って……」←
「日光浴ならベランダでもよくね?
まぁいいや。ほらさっさと乗れよ。」
「お前が誘ったくせに、ずいぶん偉そうだな(苦笑)」
「るっせぇ!
てか、今日は偶然にもゆりも海行くんだろ?
しかもキスマイの……」
「……まぁな、」
「そこに獅衣留たちも行くみたいっすよ?
こんな偶然あります?笑」
「……。」
(やっぱり、百合が何か仕組みやがったのか?)←
やはり百合を疑う太輔なのであった。