第17章 ☆Story15☆ 熱い恋の季節のはじまり
こうして打ち合わせは進んでいき、時間はあっという間にお昼の時間となった。
「打ち合わせは、これにて以上になります。
お昼の方はこちらで用意していますので、今しばらくお待ちください。」
海斗はお辞儀をすると一旦会議室を出て行った。
「……さすがは財前寺社長のご子息、まだ16なのにあの落ち着きようは凄いね。」
涼介は感心するかのように海斗が出て行った扉越しに呟いた。
「ですね……あれで数歳しか私と歳が違わないんだなんて……」
またゆりも2歳しか歳が離れていないことに驚きを隠せないでいた。
ゆりが資料の整理をしているとゆりの元に羽流がやってきた。
「よぉゆり、」
「あ、羽流くん……私に何か用?」
「あぁ。さっき来海から聞いたんだけどお前と藤ヶ谷くん、
土曜日に海行くんだって?」
「っ!?
ちょ来海!!アンタ話広げて……」
「ごめ〜ん、ついね笑」
「ついねって……汗」
「海?藤ヶ谷くんと?
……ゆりちゃん、」
「は、はい?(汗)」
(怖い……汗)
「俺そんな話一言も聞いてないよ?
それに藤ヶ谷くんも……ゆりちゃんには必要以上に関わらないでねって言ったよね?(黒笑)」
「「……(大汗)」」
((来海/羽流の野郎!余計なこと言いやがって!))←
同時に高1幼馴染コンビを恨むゆりとタイスケ。
「んで、来海たちもお前達と同じ海に行くんだろ?」
「ぇ……そこまで話聞いたの……?汗」
「あぁ。それで俺らもその日暇だから海行こうかなって思ってよ」
「「……は!?」」
またもや同時に発するゆりとタイスケ。
「別にお前らの邪魔とかはしねぇから安心しな。
単純にプライベートでいくだけだからよ。」
「「……。」」
すっかり言葉をなくすゆりとタイスケなのであった。
「ふーん……そうなんだ……
(この2人が二人っきりってなるわけじゃなさそうだけど、一応藤ヶ谷さんに報告しておくか。)
ちょっと俺も席外すね。」
涼介は太輔に報告するため一旦席を外した。
「涼介さん、どこ行くんだろ……」
ゆりは首を傾げながら涼介を見るのだった。