第17章 ☆Story15☆ 熱い恋の季節のはじまり
「そうそう!憲吾は二度もゆりちゃんのピンチ救ってるから、
まさにゆりちゃんにとっては正義のヒーローなんだよなー♪」
「っおい吾郎……話を盛るな……」
「でも事実だろー?」
「そうかいそんなことがあったのかい……ゆりちゃんも、有名になってから大変だねぇ(苦笑)」
「はははははぁ……(苦笑)
……あ、そういえばこのパスタ!すごく美味しいですね!」
「そりゃあ今日一番のオススメメニューだからな!
味は絶品もんよ!
んじゃ、若いもんはこの夏をエンジョイしろよ笑」
「なんっすかそれ笑
まぁ憲吾!お前はまた次の大会に向けてだな!」
「……そうだな……」
そしてマスターは自分の持ち場へと戻っていった。
再び6人となり……
「ふーん……そんなことがあったのか……なら、
ゆりちゃんが彼に信頼を寄せるのも無理ないな……」
ヒロミツは納得するかのように呟いた。
「ぇ……」
ゆりはその言葉に少し驚く様子を見せた。
「そりゃあ、今のゆりちゃんにはヤラカシとか危ない奴が周りにうろついてもおかしくない状況だし
現にそういう被害にもあって色々と警戒しているはずなのに……彼らには気立てなく接している……
それだけ、信頼しているってことだろ?」
「しん、らい……?」
今度は首をかしげるゆり、そして憲吾に目を向けた。
「っ……俺は、俺は、そんな信頼できる奴じゃない……」
「っそんなこと……!」
(そんなこと、ないよ……三船さんがいなかったら、あの時の私はどうなっていたのか……
三船さんは、好きな人であるのと同時に……信頼できる人だから……)
「……。」
_ボソッ「藤ヶ谷、ゆりちゃんのことを諦めたほうがいいんじゃねぇか?」
呆然とするタイスケにそっと耳打ちをするヒロミツ。
「……俺は諦めない。お前に言われる筋合いはねぇよ北山……」
「藤ヶ谷……」
「ん?急にどうしたのふたり共?」
ユウタは首を傾げた。
「別に……タマにも関係ねぇよ……これは、」
タイスケは憲吾に目を向け……
「俺の問題だから……」