第17章 ☆Story15☆ 熱い恋の季節のはじまり
「店員が2択で持ってきて、個人的にこっちの方がいいかなって……思った……」
「おぉ……ワンピースと来たか……」
吾郎は「意外だ」と言わんばかりの表情でこっちを見ていた。
「あ、オフショルワンピースっていうやつですね!
これちょうど気になっていたんです!色もすごくかわいい……」
「出だし上々じゃねぇか!」
「っ……あり、がと……」
店員が持ってきたとはいえ、いざ褒められると照れる……。
「それでそれで次は!?」
めっちゃ吾郎のやつテンションたけぇな……
「……靴がこのサンダル……ワンピースのリボンと合うかなって思って色も合わせてみた……」
「ストラップサンダルって足にフィットしやすくて履きやすいんですよ!
……あ、ソックスもある!」
次々と服の名前を言い当てる彼女、相当慣れているぽかった。
「あー……たまたま置いてあった雑誌見て、そんなような感じのがあって、
靴擦れとかも起きづらそうだなって思ってな……」
自分の選んだ靴で怪我してもらっちゃ困るし……
「お気遣いありがとうございます(微笑)」
「っ……」
そんな顔で俺を見るな……そういう表情をされると反応に困る……
「あと、麦わら帽子……日差しとかもこれでいくらか防げるだろ……」
「帯部分のリボンもワンピースとサンダルの色に合わせてあるんですね!
すごく可愛いし、実用的なことまで考えてくれてありがとうございます!」
「っ……そんなに、褒めんな……ただ雑誌とか参考にしただけだし……」
彼女に褒められたり笑う顔を見せられると自分でも訳が分からなくなってくる……
「そんなことないです!ちゃんと色々考えて選んでくださってますし……
それだけでも凄いことですよ!
私なんて、そんなこと考えずデザイン面だけで考えてましたし……」
一体俺は、
彼女にどういう感情を持っているのか……わからない。
でも、
「……ありがとな、そう言ってくれて……」
「ふふっ……(微笑)」
彼女の笑う顔を見ると、
俺も嬉しくなる……。