第16章 ☆Story14☆ 娘が心配すぎるパパ
太輔の嫌な予感は見事的中し……
「ふーん……何もされてないだろうな?」
(まぁ、普通に遊びに来ているだけだろうが……)
『っな、何もされてないよ!
胸触られたりとか……あ゛』←
ただ単にタイスケがゆりの楽屋に遊びに来ているだけだと思っていた太輔であったが、
娘からの衝撃的な言葉に思わず眉間にしわを寄せた。
「……。」
(胸を、触られた?胸を、触った……娘の……ッチ、
あの若造が……怒)←
_ギギギギギ……
スマホを強く握りしめる太輔。
「こわっ!」
(あんな敵意むき出しのアイツ、久々に見たぞ……)
そしてただならぬ殺気を太輔から感じ取った和真であった。
『っちょっとゆりちゃん!
俺が意図的にやったみたいになってる!!』
電話の向こうからはかなり戸惑っているであろうタイスケの声が聞こえてきた。
『っ……おい……』
(アイツ……まだ14の娘に何してやがる……怒
すぐにでも話をつけてやる……怒)←
完全にタイスケに対して怒りが湧く太輔。
『っ今のは違う!ちょっとしたアクシデントなの!アクシデントで…「代われ。」……え゛!?』
「……。」
(アイツ、許さん……俺と同じ名前と顔しやがってあの野郎……怒)←
「おーおー、こえーこえー(棒)」
(こりゃあ大変だな、向こう……)
棒読みの和真。
『い、いやだからそれh.「いいから代われ。」……はい(涙)』
「……(苦笑)」
(ゆりのやつ、かわいそーに……汗)
だが涙声であろうゆりのことが心配になる和真、冷や汗をかきながら太輔のほうを見ていた。
『えぇぇぇ!?』
そして一番怯えているであろうタイスケの声が和真のところにも聞こえてきた。
『……父には、逆らえませんから(苦笑)』
「……汗」
(だろーな……向こうの2人、かわいそうに……汗)
「……怒」
(絶対に許さん……)←
「おいおい、向こうの話も聞けよ……」