第14章 ☆Story12☆ 気になること
_城国商業高校
「班田さん……」
「金狼、どうした……」
「先ほど、川口から連絡がありました。
どうやら、藤ヶ谷ゆりは事務所関係者に送り迎えをしてもらっているようです。」
「……情報はそれだけか?」
「いえ、車のナンバーも記録済みです。
恐らく、マネージャーの車かと……。」
「まぁ……直接あいつに接触できないことは想定内だ。
むしろそうじゃないと可笑しいからなぁ……(嘲笑)」
「……今後の作戦は?」
「ま……あとは財前寺に、任す……奴からの知らせは?」
「はい。まだ企画段階ではありますが、着実に実行していると……」
「はっ……楽しみ、だな……(嘲笑)」
班田は怪しく笑い……
_ガタッ…
椅子から立ち上がった。
「班田さん……?」
そして懐からカッターナイフを取り出した。
ちなみに2人がいるのは番長の領域と言われるいわばたまり場のような場所。
班田は黒板の前まで歩み寄った。その黒板にはマグネットで写真が貼られている。
その写真の中には、かつて中学の時につるんでいた憲吾と一緒に撮ったものもある。
_ニヤッ「はっ……」
班田はカッターの刃を出し、それをある写真に写る人物に向かって振り上げた。
_ガッ!!
刃は写真を貫き黒板にも3、4cm食い込んでいた。
「っ!」
思わず肩をあげる金狼。
「三船ぇ……俺を裏切ったこと、後悔させてやるぜ……ハハっ…!」
そう、班田は写真に写る憲吾に向かってヤイバを振りかざしたのだ。
刃は憲吾の左目を貫通してる状態だった。そしてグリグリと刃をめり込ませる班田。
そしてカッターの刃は折れ、刺さった部分はそのまま左目を貫通、持ち手は班田の右手に持たれている。
「っ班田さん……」
その様子に悪寒を感じる金狼なのであった。