第14章 ☆Story12☆ 気になること
「あのね……今日……」
ゆりは今日ドラマの撮影現場であったことをユウに話すことにした。
「今日、撮影の休憩中に三船さんからLINEがきたんだ……」
『お!それは、いい話なんじゃない?』
「うん。班田さんに注意しろっていうことと、あとね?
ファンクラブに入ってくれたみたいなんだ(微笑)
今日、それを話してて……」
『そこに、藤ヶ谷くんが絡むってことは……もう察しがつくね……』
「……藤ヶ谷さん、急にLINE画面覗いてきてさ……それで、急に顔というか……
態度が変わっちゃって……」
『そりゃあ、好きな女の子が別の男の子と話してたら面白くないよ。
それに、藤ヶ谷くんはきっと三船くんのことをそこまで意識してなかったと思うんだ。
ほら、三船くんってクールだし、いかにも恋愛ごととかには興味なさそうでしょ?』
「うん……」
『しかも、アイドルのファンクラブに入るなんて想像もつかないでしょ?
だから、そのギャップに耐えられなかったんじゃないかな……彼も、ライバルの1人になるんじゃないかって、
不安になって……』
「……。」
『……男の子ってね?独占欲っていうものが強いんだよ……』
「……女の人の方が強いイメージだけどなぁ……」
『ぱっと見はね……でも、本当に怖いって意味では男の子の方なんだよ……
もちろん、個人差はあるけどね……思入れが強ければ強いほど、独占欲は強くなるんだ。
それが、人間という生き物……。』
「……。」
『恐らく、藤ヶ谷くんはその感情が強いだよね。ゆりちゃんのことが、
本気で好きだから……』
「っ……」
(藤ヶ谷さん……
『……あいつのこと、好きなの?』
『……ねぇ、あいつと俺の差って……何なの?
俺には、何が……足りないわけ……?』
なんで、私なんか……)
『ゆりちゃんは、どう思っているの?
藤ヶ谷くんのこと……』
「……あの人は、よく私に話しかけてくれて……いつも気にかけてくれて……
でも、私はどうしても恋愛対象とかには見れなくて……やっぱり、パパを強くイメージしているからかな……」
『見た目も一緒、名前も一緒だしね。』
「最近はね?お兄ちゃんができたみたいって思ってた……でも、」