第13章 ☆Story11☆ ドラマ撮影スタート
ゆりside
「おはようゆり、今日は随分早いのね。」
「ごめん千鶴……今日は、早く行きたい気分で……」
「何かあったの?顔、浮かないわよ?」
「うん……ちょっとね……」
「……。」
「はようゆり!
って、ゆり……お前どうした……」
「ぁ、獅依留……」
「……獅依留、今ゆりのことは……構わないでおいて……」
「ぇ、なんで?」
「女の子には、一人になりたい時もあるのよ……ゆり、
あなた最近疲れているのよ……私たちに気を使わなくていいわ……」
「ごめん、千鶴……」
「いいのよ。今日の午後から、また新しいドラマの撮影でしょ?
それまで、ゆっくり休めておきなさい。」
「うん、ありがとう……」
(私、何してんのよ……今私にはやらなきゃいけないことが多いのに……あんなこと、
気にしている暇は……)
それからチャイムがなり、ゆりは午前の授業を受け。お昼休みに涼介が迎えに来るのを待っていた。
_ピコーン
「……涼介さんだ。学校にそろそろ着く感じか……」
『もう少しで着くからいつもの場所で』
正門からだと一般の人からも目立つため、関係者しか入れない場所から送り迎えをすることになっている。
ゆりは学校の裏口に回り再び涼介が来るのを待った。
「……。」
(念のため、涼介さんに相談しなきゃ……)
「ゆりちゃんお待たせ!
さぁ、現場に行こうか。」
「はい……あの、涼介さん……」
「ん?何だい?」
「ちょっと、相談したいことがあるんです……」
「相談……?
うん、それは全然構わないよ。車の中で、ゆっくり聞くよ。
さぁ、乗って?」
「はい……」
ゆりは涼介の車に乗り込み今日撮影が行われる現場に向かう。
ちなみに撮影場所は……
「……。」
(紫鶴大学……パパが、前働いていた大学……ママと柊さんのドラマでも使われた場所……)