第12章 ☆Story10☆ 縮まっていく距離
「デザインは、こちらの7種類ありますが……どちらになさいます?」
「もちろんゆりぴーで!」
「かしこまりました。丁度ゆりちゃんのはこれで最後なんですよ。
お客様、ラッキーですね(笑)」
「マジで!?よかったなー憲吾(笑)」
「……。」
(喜んでいいのか、悪いのか……汗)
こうして必要事項も記入し身分証明書も提示し……
「本日から1年の有効期限になります。更新のお知らせについてはハガキにてお知らせします。」
「了解でーす!よかったなー憲吾♪」
「うるせぇよ……」
そして会計も済ませ……
「お待たせしました。本日から1週間までの貸し出しとなります。」
「あざ〜す!」
「それと、こちらは関連商品をお借りした方限定で配布しているコンサートの抽選券を入れておきますね。」
「お!もしかしたら当たる可能性もあるぜ!」
「あっそ……」
(どうせ、当たらねーだろ……)
こうしてお店を出て…
「2枚分もらっちまったよぉ♪
もし2枚とも当たったら俺誘えよ!?」
「あーはいはい、わかったよ。
どうせ当たらねーだろうけどな……」
「ほんとお前は冷めてんな……」
「お前が無理やり連れてきたんだろ(苦笑)」
「あ、この後は俺の家で鑑賞会な!」
「おいおい……明日学校あんだろうが……」
「俺んち泊まっていいからよ!」
「……いつもに増して強引だな……」
「そうでもしないとお前、聞いたり見そうにもねーからな!」
「……。」
再び渋々と吾郎についていく憲吾なのであった。
_吾郎の家
「ただいまー!」
「あら吾郎おかえり……って、憲吾くんも一緒?」
「おう!今日泊まってく!
いいだろ?」
「別に構わないわよ。ゆっくりしていってね。」
「あ、はぁ……どうも……」
「んじゃ、早速俺の部屋に行こうぜ!
先上行ってろよ!俺ちょっと飲み物持ってくから!」
「……わかった。」
憲吾は2階に上がり吾郎の部屋に向かった。