第11章 ☆Story9☆ 試合観戦
「っ……らぁぁぁぁぁ!!」
「あぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「三船さんっ!!」
_ガッ!!!
二人の右拳はお互いに接触した。
そしてともに覇気を纏っている二人、
二人の周りはライオンの橙と狼の青い覇気で覆われていた。
「っ……!」
(覇気の影響で、風が……!)
体育館内は強風に近い風で吹き荒れていた。
『ぐおぉぉ……ゆりちゃぁぁん!
僕が飛ばされないように抱っこしてぇぇ……!』
ゆりの足に捕まっているユウ。
もちろんユウはぬいぐるみなのであっという間に吹き飛ばされてしまう可能性が高かった。
「っ……もぉ……!」
(覇気……本当に意味がわからないよ……)
ゆりは足元にしがみ付いているユウを抱き上げた。
「っ……三船さん……」
「うあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」_ゴゴゴゴゴゴ…!
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」_ゴゴゴゴゴゴ…!
「っ……三船さぁぁぁぁんっ!!!
勝ってぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
『ぐわぁぁ…!
ゆりちゃんの叫び声も、覇気並み……』←_ガクッ
ユウはその場で気絶してしまった。
「っ……うああああああああっ!!!」
憲吾side
「うあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」_ゴゴゴゴゴゴ…!
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」_ゴゴゴゴゴゴ…!
共に拳がぶつかり合う俺たち……
恐らく、ここで勝負が決まる……
俺が諸星を吹き飛ばすか、俺が吹き飛ばされるか……
「っ……」
俺は……俺は……
「っ……三船さぁぁぁぁんっ!!!
勝ってぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
「っ!!」
今までにないくらいの声で叫ぶ彼女……俺は、
彼女のためにも……俺は
「うああああああああっ!!!」
勝ちたいだ……!