第11章 ☆Story９☆　試合観戦

憲吾side


「三船さん！！試合はまだ終わっていません！！！
立って……立ってください！！」




「っ……」



彼女は、また俺に呼びかけた……試合は、



まだ終わってないと……




「っ立って……立って決めてください！！！
ここで負けちゃ……ダメですっ！！！！！」




「っ……！」





そうだ……試合はまだ、終わってない……残り1分切ったけど、



まだ終わりじゃない……俺は……



立ってコイツを……



「ぐっ……クソォ…！」



だが体が言うことを聞かない……



「っ動け……動けよ俺の体……試合はまだ……まだ、









































まだ終わってねぇぇぇぇんだよぉぉぉぉぉ！！」





＿ゴゴゴゴゴゴ…



「っ憲吾！？」
（ま、まさか……）



「よほど……追い詰められていたらしいな……」



「っ憲吾……」
（あんなに、覇気は使わないって言ってたのによ……）



オレンジの炎のようなものを憲吾の周りを覆った。



そして憲吾はゆっくりと立ち上がる……



「っ……んだよ……」



そして憲吾の後ろにはライオンを纏う覇気が出ていた。



「……結局、こうなっちまうのかよ……でも、
少しばかりお前の力を使わせてもらう…‥っ！！」



「っ！？」



ライオンの姿は憲吾の体に吸われたように消えた。



そのかわりに、覇気は小さいながら憲吾の周りを覆っていた。



「所詮、覇気に勝つためには覇気で……毒をもって毒を制す、か……」



「っ……お前、さっきまで散々覇気は使わねーって言ってたのに！！」



「あぁ……そうだな……スポーツをする上では、フェアじゃない。
けど……俺が覇気を纏えば、フェアだろ？お前にとって。
今お前がここで俺を、卑怯呼ばわりしても全く説得力はねぇ……卑怯者同士、

最後まで勝負はしようぜ……」



「っ……」



「言っとくけどな……覇気を出した限り……俺は負けるわけにはいかねぇ……。
お前を倒さないと、俺の気が収まらないんだよ……！」



「っ……らぁぁぁぁぁ！！」



「あぁぁぁぁぁぁっ！！！」









「憲吾……！」



「……。」






「三船さんっ！！」