第10章 ☆Story8☆ アイドルになる道
「山田さんに、彼女のマネージャーをしてもらいたいと思うよ。」
「っ……!?」
「無理を言っていることは、わかっている……現に山田さんはアニーに属する社員。
多くの人は引き抜きと思うかもしれない……けど、あなたに彼女たちの、彼女のマネージャーを任せたい……」
「っ……」
「……頭の片隅に、留めておいてほしい……」
「っ……」
「……足を、止めてすいませんでした。
お気をつけおかえりください。」
「はい……こちらこそ。
お世話様でした……」
涼介は瑛二にお辞儀をした後運転席に乗り込んだ。
「……。」
(俺が、マネージャーか……)
「山田くん、美澤社長と何話していたんだ?」
「まぁ、色々と(苦笑)
特に寄るところはありますか?」
「いや、特にないよ。ゆりたちも、待ってるからまっすぐ行ってもらって構わないよ。」
「わかりました、それじゃあ出発しますね。」
こうしてマイクロバスを走らせ、車はゆりたちが待つ玉森家に向かった。
_玉森家
「来海ー!今帰ったぞぉ♪」
「ママぁ!」_ぎゅうっ!
「っちょっと!?」
来海は宏光をスルーし小夜に抱きついた。
「いい子にお留守番、できてた?」
「うん!ちゃーんと結月と凌駕の面倒も見てたよ!」
「「パパぁ!」」_ギュウウ!
「うおっ!」
結月と凌駕は宏光に勢いよく抱きついた。
「パパおかえりなさい、なの。」
「ずーっと待ってたの!」
「う、うぅぅぅぅ……!(涙)」←
思わず涙を流す宏光。
「でも本当はママに抱きつきたかったけど、ねぇたんがいたから。」←
「えぇ!?」
「仕方ないから、なの。」←
「……(涙)」
「パパ、お帰りなさい。」
「ただいま。特に大丈夫だったか?」
「うん、みんなと遊んでたから。」
「そうか…「ねぇパパ、」……。」
「やっぱり、パパは反対なの……?」
「っ……」
ゆりは太輔を見上げ、少し悲しげな表情を見せていた。