第8章 ☆Story６☆　ママの命日

「線香できましたよ〜」



「ありがと、な……」
（藤ヶ谷先生にしか見えんっ！）



タイスケから線香をもらった宏光はタイスケに違和感を覚えるのだった。



「はいパパ、くるも。」



「ありがと！にしても、初の共同作業だった？（笑）」



「なんで急にそんなこと言うのよ……」



「なーんとなくっ（笑）」



「……（怒）」



他の人も線香をもらい、香炉に線香を置いていき手を合わせていった。














「……。」
（ママ、私頑張っているから……これからも、見守っていてね……
そう、信じているから……）



「ゆりちゃん終わったから、次は俺かな……っ！」
（っゆりちゃんのお母さんって、ゆりちゃんと同じ名前……？
ってことは……玉森、百合……？まさか、あの……）




「藤ヶ谷さん、どうしたんですか？」



「っい、いや……お母さんの名前って、ゆりちゃんと同じなんだね（苦笑）
……にしても、ゆりちゃんのお母さんってモデルだった玉森百合だったんだね……」



「……隠していて、すいませんでした。でも、あまり注目されたくなかったので……
それに、パパとママの関係は特別でしたから……それも、注目されたくなかったので……」




「そうなんだ……」



「何か、気になることでも？」



「ううん特に何もっ！（苦笑）」













そして全員が線香を置き終わり……



「パパ、終わったよ。」



「あぁ。他の人もあげたか？」



「「はーいっ！」」



「みんな終わったみたいだね。」



「そうだな。んじゃ、戻るか……ゆり、」



「なーに？」



「こないだも話したけど、ちょっと聞きたいことがある……」



「う、うん……わかったよ……二人だけで？」



「あぁ。ってか、他の人がいたら余計言いづらいだろうしな……
庭園で話そう……そこなら、人もこねぇだろうし。」



「わかった。」



「んじゃ、帰るぞ。」



「はーい。」