第7章 ☆Story5☆ 溢れる恋心
こうして無事プリクラを撮り終えた2人は落書きコーナーへ向かった。
「ゆりちゃんがやると、せっかくのが台無しになるから俺がやる!」
「台無しって……少なくとも、あなたよりは画力ありますけど……」
「う゛……(汗)
そ、そうかもしれないけど俺がやるの!」
『……せっかくのキスプリ、ぐちゃぐちゃにされるかもしれないしね(笑)』
「ぬいぐるみ、お前は黙ってろ!」
「……。」
(ファーストキスだったのに……涙)
どうやらゆりにとってファーストキスだったようだ。
ラクガキも終わり……
「へぇ……プリントされるだけじゃなくてスマホとかでも見れんだ!
LINEにでも……「絶対やめてくださいっ!(怒)」冗談だよ冗談(苦笑)
でも、待受とかにはしておく!」
「やめてくださいよ……」
「にしても、ファーストキスだった?」
「っ……///」
「その感じだと、そうなんだね(笑)」
「……(睨)///」
(まさか好きでもない人にファーストキスを奪われるとは……)
『そんなキスから始まる恋もあるさ……』
「んな゛!?」
「お!ぬいぐるみがいいこと言ってる!
そうそう!こっから始まる恋もあるっしょ♪」
「っそんなドラマ的展開ありません!(怒)」
「でも、俺にドキドキしてくれたでしょ?」
「っそ、それは……急にあんなこと……
びっくりしただけです……」
「少しは、男として意識してくれた?」
「……。」
ゆりは黙ったまま視線を横にずらした。
「図星だね★」
「っ……もう帰ります!」
「うん♪最後の最後で美味しいとこ貰ったから♪」
「……。」
(涼介さんにとっとと迎えに来てもらお……)
ゆりは涼介にメッセージを送った。
「今日1日どうだった?」
「色々と大変でした……」
「目撃、情報かな……?」
「そんな、ところです……」
「んじゃ!ゆりちゃん、またね♪」
「ど、ども……」
こうして二人は別れ、それぞれ自宅へと戻った。