第4章 出逢うことの無かったふたり【火神 大我】
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───────pipipipi・・・
『・・・ん・・・』
───────pipipipi・・・
『・・・ん~・・・』
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───火神・・・───
───・・・火神───
───覚えて、ない?───
『────っは!!!!!』
誰かに水をかけられたように跳ね起きた。
朝日が障子から日を差し、宙に浮かぶ埃さえも鮮明に映し出す。
『・・・っ・・・』
頬を撫でると、汗が滑っていた。
『・・・何で・・・、
・・・ん?』
────何かがおかしい。
まずひとつ、声が変だ。
声変わりをする前でもこんな高い声じゃなかった。
そして、ふたつ。
何故かワンピースを着ている。
寝る前にワンピースなんて一生着ねぇ。
・・・どうして・・・
『・・・ん?』
ふと目線を下げると、上下する膨らみが。
・・・何だこれ。
決して小さくもねぇけど、大きくもねぇ。
だけど、【そこに何かある】という感覚がする。
『・・・・・・何だ、これ』
少し掴んでみると、ふやん、とした感覚。
・・・え?
『・・・っふぁぁ・・・』
欠伸をしながら立ち上がる。
机の横に姿見があり、布が掛かっていた。
それを捲って、ふと・・・目が合った。
『・・・え?』
女子だ。
カントクとはまた違う系統の女。
アレックスともちょっと違ぇ。
・・・見たこと無い奴だ。
現実味がなくて、試しに服を脱いでみる。
ぱさり。
乾いた音。
女らしい白い下着。
折れちまうんじゃねえかって程細い胴体。
『・・・は?』
そして、ふたつの膨らみ。
それが規則的に上下する。
『─────はぁぁぁぁあ!!?』
それは紛れもなく、女の体だった。