第3章 記憶の中の彼女【赤司 征十郎】
「好きだよ」
───・・・え───?
『え、な、』
近づいてくる先生に後退りしか出来ない。
何言ってるの先生。
熱でもあるんじゃないの!?
『何、言ってんですか・・・好き、ってそんな・・・』
後ろに広がる真っ白な壁。
何で・・・っていうか、何で私なの!?
『ちょ、ちょちょちょ・・・っ』
すぐ横に手が添えられた感覚と、
近づいてくる吐息。
え、本当に・・・
私、先生と・・・!
「・・・好きじゃないなら逃げてくれ。
・・・嫌じゃないなら、しようか」
『え、そんな、』
嫌、な訳じゃない。
先生を嫌がる理由なんて何処にも無い。
でも・・・。
口先の抵抗しか出来ない私に、
先生の顔が近づいてくる。
『っ・・・ひ、』
腰に回される腕。
制服の中に忍び込む掌。
『な、なぁ・・・っ』
「嫌じゃないならすると言っただろう。
俺はもうやめないからな」
そんな・・・私、まだ・・・
まだ──────、