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何よりも大切な君に。【黒バス】

第7章 人は見た目で決まらない【原 一哉】



「‥‥っん‥‥‥ちょ、」

「っ、なに‥‥」


手! 手!!

どこ触ってんの‥‥。


「どうしたの? 顔エロいけど」

「違っ‥‥‥っんむ、」


こんなに、手が熱い。

なのに、それ以上に、私のからだが熱かった。

熱にうかされたみたいな、独特の熱さ。


ソファの背もたれに預けた頭を、ゆっくり撫でられる。


「‥‥お前は、俺の何がいいの?」

「‥‥わかんない」

「‥‥わかんないって」


頭が、回らない。


頬にキスされる度に、髪が目にチクチクしていた。


邪魔‥‥‥


「! 何して、」

「きれいな目なのに、なんで隠すの」

「‥‥‥」


ああでも、他の人には、見せたくないかも。


「‥‥お前なら、別に見てもいいけど」

「‥‥ううん。いい」

「は?」

「‥‥やっぱり、このままでいい」

「‥‥変なやつ」



またキスされる。


もう、わからない。


頭が回らない。


私、どうして、身を任せなくなってるんだろう。


「‥‥原。‥‥肉じゃが」

「もういいよ。ボロボロのじゃがでも」

「ダメだよ、美味しくなくなる‥‥」


押し戻されたソファ。


いつになく威圧が半端ない。

その目が見えないからなのかな。


「それより大事なことあんだろ」

「‥‥っ」



嫌だなあ。


自分が自分じゃない。


思い通りにいかない。


きっとすぐ飽きられる。


絶対泣くのは、私なのに。


でも、今だけ。


今だけは、このままでいさせてほしい。
























‥‥やっちまった。


隣で眠る原を見つめながら考える。


きっと、すぐ別れる。

捨てられる。

女は消耗品だと思ってるやつだ。


「‥‥‥ありえない」


もぞもぞとタオルケットから抜け出す。

さっさと着替えて、帰ろう。

別に、あってもなくてもいい思い出だし。


‥‥‥あれ、まだ私、こいつのこと信用してないな。



「‥‥バカ」

「バカはどっちだよ」

「!」


ズリズリと引き戻される。

もがくほど、力は強まって。


「めんどくせー。まだ信じてねーの、お前」

「‥‥」

「はぁ‥‥‥あんまめんどくせーこと考えてんなら、腰砕けるまで犯すからなー」

「─────っ!!!?」



【END】
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