第3章 優しいアイツ
♪〜...。
凛花:「んー...。」
スマホのアラームで中途半端に目が覚めた。
今日は日曜の休日にも関わらず今の時間は6:00。
凛花:「...後 5分...。」
寒いし眠いなとか思いながらアラームを消して 毛布にくるまる。
暖かくて幸せ...。
意識を手放しそうになりながらそんなことを思っていると スマホが誰かから...というかアイツが連絡してきたせいでバイブが鳴り出した。
眠いからムシムシ。
何なら毛布から少し腕を出さないと届かないスマホに手を伸ばすのすらイヤだ。
そんな風に思っていると バイブが収まった。
でも1度バイブが無くなったスマホは 少しの間を置いてまた振動し始めた。
凛花:「...もうっ...!」
私は毛布を頭から被ったままスマホを手に取ると画面をタップした。
すると耳からは大好きな彼の声が聞こえてきた。
怜央:『おはよ!凛花。』
本当はいつも朝1番に怜央の声が聞けて嬉しい。
でもいつも眠い中起こされたのがたまらなく嫌だからムスッとした声で言った。
凛花:「ん...。」
すると怜央は私の声を聞いてクスクスと笑いながら言った。
怜央:『まだ眠い?』
凛花:「ん。...それに寒い...。」
怜央:『そりゃ冬だもん!でも寒いの嫌いだから仕方ないね。』
怜央は笑いながらそう言った。
凛花:「ねぇ。」
怜央:『ん?』
凛花:「部活休んだらダメ?」
怜央:『ダメ。絶対。』
凛花:「私がいなくても 大丈夫でしょ。」
正直寒いし 私がいてもいなくても練習する内容が変わるわけでもないから休もうかな。
そんなことを思いながら怜央に言うと 眠気が一気に覚める言葉を言われた。
怜央:『凛花に朝から会えないと元気出ない。...声だけじゃ嫌だ。』
凛花:「...っ!」
怜央:『だから行こ?』
電話越しに首を傾げながら言っているのが想像できる。
凛花:「...。」
怜央:『凛花?』
凛花:「...分かったよ...。ちゃんと行く。」
怜央:『ヤッタ!じゃあ今から迎えに行くね?』
凛花:「ん...。」
そう言うと電話が切れた。
付き合い始めて約1年が経ったけど 未だに怜央が突如振りかけてくる甘い言葉には慣れていない。
...というか慣れるわけがない。