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【APH】本田菊夢 短~中編集

第14章 (日)鬼ごっこ



「ルールは普通の鬼ごっこと一緒です。学校内にいる時間のみで行います。校門を一歩出れば休戦。先程も言ったように、私が鬼で貴女を追いかけますので、貴女は全力で逃げてください」

「はあ…」

「逃げられると燃えるものです。手加減はしないでくださいね。…まあ、私の告白を断ったのですから、それはないと思います、が…」

言いながら菊は段々へこんでいった。おいおい。
しかし私も「やる」と言っていないのに、すらすら話が進んでいくものだ。多分私の中で興味と驚きと「面白そう」の気持ちがあるから拒否の言葉が出ないんだと思う。
日常なんて、何かで変えないと面白くならない。

「ああ、でも普通に学校の授業は受けてくださいね。授業中も休戦時間です。走り回るのもいけませんから、体力勝負より頭脳戦メインでいきましょう。期間は明日から1週間。30秒間、璃々さんを私の手で捕まえていられたら私の勝ち。1週間逃げ切れば、璃々さんの勝ちです」

「ふんふん」

「璃々さんは、フランシスさんやアーサーさん達に助けを求めて構いません。ただし、私も貴女の知り合いの中で3人だけ味方につけます」

「それが誰かはわからないのね」

「そうです。璃々さんが頼った誰かが私の味方かもしれません。ですがもしその味方が璃々さんを捕まえても私の勝ちにはなりませんよ。私が私の手で30秒間捕まえていなければなりませんから」

「じゃあ、もし菊の味方に掴まっても逃げられればセーフ、菊に掴まっても30秒以内に逃げられればセーフって事?」

「その通りです。ふふ、乗ってきましたね」

「何かちょっと楽しそう」

「それは良かった。…あぁ、勘違いしないで頂きたいのですが、このゲームは私と璃々さんがお付き合いするきっかけを作るだけですから。お友達からお付き合いしたとしてそれでも嫌なようでしたら、遠慮なく振って頂いて構いません」

言われて私は苦笑した。良い人だ、菊は。
ちょっと不謹慎な事態かもしれないが、菊が言い出したんだからまあいいだろう。
わくわくするような高揚感。久しぶりな気がする。こんな気持ちは。

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