第31章 ●リヴァイとナナシ

ドサリと大きな体躯が倒れ込む音にリヴァイは顔を上げ、
床に伏しているエルヴィンを確認すると


「おまえの力で意識を奪ったのか？」


とナナシに問うた。

ナナシが複雑な表情でそれを肯定したので、
「便利な力だな」と抑揚のない声で感想を述べる。


「意識奪ったのはエルヴィンに見せたくなかったのか？
・・・それとも、おまえが見られたくなかったのか？」

「・・・・・・・・・」


ナナシはそれに答えなかったが、恐らく両方なのだろう。
だが、リヴァイにとって今はそんな事どうでも良かった。

「約束通り・・・おまえを抱いて良いんだな？」

「あぁ、無論だ。お主に無理強いをしてしまった償いに
少しでもなれば良いのだが・・・」

「・・・・・・・・・・」


それが義務感からくる言葉だとリヴァイは理解していた。

それでも構わないと思い愛撫の続きをしようとすると、
ナナシが「待ってくれ」と止めたので何かと思い中断する。