第24章 本音のぶつけ合い
「此方にも色々とあるのだ。犯してはならない『掟』とか・・・」
ナナシはもう大分それを破っているのだけれども・・・・。
それでもやはり超えてはならない一線というものはあると
考えているので、その一線をどこで引くかを考え倦ねている
最中なのだ。
自分の中でのケジメといった方が正しいのかもしれない。
ナナシはクソ真面目な性格故、自分の幸せだけを考える事が
出来ない性だった。
それを聞いたハンジは「ふぅ~ん」と返した後、
鋭い一言を投げた。
「ナナシにとってエルヴィンはその程度の男なんだね。
心底惚れ抜いた相手になら全てを捧げろ・・・なんて
綺麗事は言わないけど、ナナシは保身に走ってる気がするよ」
「・・・っ!?」
ナナシはひゅっと息を呑んだ。
ハンジはただ純粋にそう思っただけで、
悪意があった訳ではないのはわかっている。
だが、その言葉は確実に鋭利な刃物となってナナシの胸に
突き刺さった。
「・・・ハンジ、やめろ」
制止の声を上げたのは、眉間に皺を寄せたリヴァイだった。
リヴァイはハンジに鋭い視線を向け、首を横に振る。