第22章 相手は誰だ!?
「何でも今日入籍したそうなんです!午前中お出掛けに
なっていたのは、きっとその為なんだわ!壁外調査が
近いせいもあるのかしら!?あぁ、何にしても悔しいっ!!」
「そ、そうなんだ・・・・」
その女性兵士は同じく泣き腫らしている他の女性兵士と共に
去って行ってしまった。
その落胆振りから相当本気でエルヴィンの事を想っていたと
窺えるが、そんな事に気を回している余裕がナナシには無かった。
確かに自分は、自分以外の女と所帯を持てとは言ったが、
何も自分がいる時に結婚する事ないじゃないかという怒りが
湧いた。
どういうつもりか詰問したい所だったが、自分にエルヴィンを
責めるような資格は無いとわかっているのでそれは憚られる。
「ナナシ・・・どういう事かエルヴィンに聞きに行こう?」
「そうですよ。あれだけナナシさんにベッタリだったのに
・・・何かの間違いだと思います」
気を利かせてくれているのかナナバとペトラが心配そうに
ナナシに言ったが、ナナシはその申し出を断った。
「エルヴィンが誰と結婚しようが私には関係無い。
喜ばしい事ではないか」
「そう言う割にはリヴァイ並みに眉間に皺が寄ってるけど?」
ナナバのツッコミにグッと息を詰める。
知らず眉間に力が籠っていたらしい。