The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第17章 Confirmation ー確認ー
キッチンのような場所に私が戻ると、
ザックがしゃがみ込んで、
既に鍵を開けていた。
「…おし、開いたな。
悠、お前も下に降りるか…?」
『うん、行く。』
ザックがしゃがみ込んだまま、
私を見上げながら訊ねてきた。
当然、私も行くに決まっている。
私1人で、ザックをただ待っているのは、
もどかしい。
そのうえ、
レイを少しでも早く取り戻すためには、
人手は多い方が良い。
……それに…、
ザックを1人にしてしまうのも、
私自身が1人でいるのも…、
何故だか、
とても怖かった……。
「わかった。
んじゃあ、足元気をつけろよ。
落っこちても、助けてやんねぇからな。」
『そ、そんなドジしません……!!!!』
そう言ってから降りて行ったザックに
慌てて言い返したが、
そんな私の声が
彼に届いたのかは不明である。
私は、
穴の中にある梯子を降った……。