The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第17章 Confirmation ー確認ー
階段を昇りながら、
やはり私は、ここを出ても
レイに生きていてほしいと、
死んで欲しくはないと、
心の底から思うのだった……。
「……あ?
何だ、これ。
何か書いてあんな……。」
先を歩いていたザックが、階段を昇りきった先で、
何かを拾い上げた。
『……何?それ。』
ザックに追いついた私は、
彼の背後から声をかけた。
ザックは私の方を振り返っては、
面倒そうに眉根を寄せて言った。
「……何か、書いてあんだけどよぉ……。」
……あ。
そうだった。
ザックは文字が読めないんだった……。
「ま、何かの役に立つだろ。」
ザックはそう言って、その白いプレートを
私の鞄に乱雑に突っ込んだ。
『ちょ……。
勝手に触らないでよ。
結構、大事な物も入ってたりするんだから……。』
「……あ?
んなの知るかよ。」
私はザックに文句を言いながら、
適当に突っ込まれたプレートを、丁寧に入れ直した。
……そのプレートに何が書かれてあるのかは、
まだ読んではいけないような気がした……。