The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第17章 Confirmation ー確認ー
「……あ?」
私が叫んだその時……____
ザックが小さく瞼を震わせて、
ゆっくりと瞳を見せてくれた……。
『……も、もう…。
心配させないでよ……。』
私の声は、
今までにないくらい、震えていた……。
……自分でも、驚いてしまうくらいに……。
「……悪い。
心配させるつもりは、ねぇんだ……。
…お前に、
そんな顔させるつもりも……ねぇんだよ……。」
ザックの大きな手が、私の頬を撫でた。
おそらく、ザックにも疲れが溜まっているのだろう……。
仕方のないことなのに、
無理もないことなのに……、
私は……____
『ううん。
ザック、無理しないでね。』
「……ああ。
俺は良い。
お前も、無理すんじゃねぇぞ……。」
『ううん。
私は、大丈夫……。』
ザックの、
どことなく優しげな声に、
私は小さくそう返答する。
……すると、
ザックが鼻をすり寄せてきた……。
優しく触れ合う、互いの鼻。
……も、もしかして……、
来る……。
覚悟して、私はぐっと瞼を閉じた……。