The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第17章 Confirmation ー確認ー
『……セバスチャン。
君は、出口を探しておいて。
私とザックで、真相をつきとめて……
レイを救う。』
「良い心がけです。お嬢様。
……では、お気をつけて。
何かありましたら、お呼びください。」
私の言葉に、
セバスチャンは微笑んで頷きながら、そう言った。
「お、おい、待てよ‼
勝手に話を進めんな……っ‼」
ザックが不機嫌そうに叫んだのを
一瞬だけチラリ…と見たセバスチャンは、
エレベーターの起動スイッチを探す。
……だが、
どうやらそれらしいスイッチは
見つからなかったようだ。
「……フォスター様。
このフロアには、罠が多くいくつも…
至る所にトラップが仕掛けられております。
お嬢様は手負いです。
……どうか、お嬢様を頼みます……。」
「……あ?
…………んなこと、
テメェに言われなくても、
わぁーってるっつーの。」
セバスチャンがザックに向き直って、
そんな"お願い"をした。
ザックも、さも当然かのごとく…、
サラリとそんなことを言ってのけた。
その会話が、
まるで……セバスチャンがもう帰ってこない…
みたいに思えて、私は小さく震えた……。