The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第14章 Floor B2 ー地下2階ー
悠の顔色には、血色がなく、
具合が悪そうだ。
なのに、
悠はそういう素振りを全く見せない。
……無理、しすぎなんだよ、お前は……。
俺は、悠の肩をそっと抱いた。
華奢で弱っている悠は、
俺に倒れ込むようにして、大人しく抱きしめられている。
「……少し、休め。
レイ達が来たら、起こしてやるから……。」
『…………うん。
ありがと、ザック……。』
悠は再び、その瞼をゆっくりと閉じた。
……黒かったはずの、悠の左目
……赤く染まっていた、悠の左目は……、
その時、
レイの瞳のように淡い空色をしていた……。
…………気がする……。