The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第12章 Master and servant ー主従ー
「____え?」
「おい。
斬られて、嬉しそうな顔してんじゃねぇよ……。
この、サドマゾ女……。」
幾ら処置を施したとはいえ、
ザックはまだ、とても立てるような状態ではない。
それなのに、ザックは立ち上がって、
しっかりとした口調でそう言った。
その背中は、酷く憔悴しきっている。
……だが、同時に。
強くもあった……____
「その煩わしい声のおかげで、
殺したくて、殺したくて……。
目が覚めちまっただろうがっ‼」
「……ねぇ、
嘘、でしょう……?」
切り落とされた手首を押さえながら、
女性は小さく言う。
「嘘じゃねぇ、現実だ‼
目を覚ませ……‼」
ザックは、勢いよく
女性の腹部を、大きく…下から上に
斬り裂いた。
「……あぁ、でも……。
すぐに、眠っちまったなぁ……?」
ザックは、仰向けに倒れ込む女性を
楽しそうに見下ろしながら言った。