The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第11章 Floor B3 ー地下3階ー
『……上手く撮れてるね。』
ザックの表情は不機嫌そのものだったが、
ピントが合っていてブレがない。
その上、落ち着きがなくそわそわしていたザックが、
きちんとこちらを向いている。
中々の腕前だ。
『レイってば、
写真を撮る才能があるのかも……‼』
私がそう言うと、
レイも満足そうにふわりと微笑った……。
「……おし‼
今度は俺が撮ってやる‼
レイ、そこに立てよ。
ここを押せばいいんだろ?」
「……うん。」
ザックがそう言うと、レイはボーダー背景の前に立った。
……直後…____
ーガンッ‼ー
「…あ………。」
ザックが乱雑にボタンを押してしまった。
ージー…ー
ポラロイドカメラから吐き出された写真は……
「マジで押すだけで撮れんだな。
……お。結構上手く撮れてんじゃねぇか。」
「…上手くない。
……ブレてる…。」
ザックは機嫌良さそうに言うも、レイは不服そうだ。
それもそのはず……。
レイはこちらを向いていないし、ブレている。
レイは不機嫌そうにそう小さく呟いた。
「ああ?
ボタン押せば撮れるって言ったの、お前だろうが。」
「…………。」
ザックの単純な反論に、
レイは不機嫌そうに黙り込んでしまった。