第4章 都大会!
そして、ついにジローの試合。
相手は…不二裕太?聖ルドルフの人か。
見るかぎりではなんか生意気そう。
忍「青学に負けたトコやで。…越前に負けたのがあいつや。」
「どうでもいいわ。…ジロー、頑張って。」
ラケットを取り出す背中に向かって言った。
ジローはくるっと振り返った。
…なんか眠そうね。
芥「んー。…眠い…。」
鳳「ちゃんと起きてくださいっ。」
長太郎も苦労するな。こんな先輩もって。
でも、ジローが負けるハズない。
跡「ジローの武器は天性の手首の柔らかさだ。」
日「あれがある限り、そう簡単に負けませんよ。」
手首の柔らかさか。
そういうのが役にたったりするのよね。
~そして
「…え?!終わるの速くない?」
なんだか一瞬だった気がする。
まさか、ジローがこんなに強かったなんて。
…尊敬するわ、ホント。
芥「ふぁ…。ユーリ、膝枕して…。」
日「寝るの早いです。まだ表彰式が…。」
ぱたっとあたしの膝の上に横たわる。
たいして汗もかいてないし…。
穴「これで関東大会出場だな。」
跡「当たり前だろ?」
関東大会か。リョーマと戦うのかしら。
そうなったら面倒ね。
向「楽しみだなー!!」
「…そうね。…?誰からの着信かしら。」
携帯が光ってる。いったい誰から?
…ショウ…?!嘘、なんで!
「も、もしもし?…ショウ?」
『久しぶりだね、ユーリ。…元気?』
懐かしい、大好きな声。
あたしが一番求める…大切な人。
「なんで…。体は、大丈夫なの…?」
『心配しないでよ。もうすっかり良くなった。』
なんでそんな嘘つくの?
…そんなわけないじゃない。大丈夫なわけ…。
「大丈夫なわけないじゃない!…あたし、心配してるのよ…?」
『…ごめん。でも、大丈夫だから。もう少ししたら、日本に行く。』
「日本に?」
『ユーリに早く会いたいから。』
それだけ言って、切れてしまった。
あたしも会いたい。早く会いたい。
あたしのせいで、人生を狂わせてしまった人。
「…もうすぐ、会える?…。」
跡「ユーリ?」
ごめんねって、言わなきゃ…。
あたしに出会ってしまったから、君は。